Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)

Exhibition

1976年 東京生まれ
San Francisco Art Institute 写真学科に於いて写真家リンダ・コナーに師事する。
帰国後は東京を拠点に国内外で活動中、
8x10"カメラで銀塩、湿板写真を駆使し”見えないものを可視化する”をテーマに作品を制作している。

<受賞>
2000年 Paul Sack Photography Award - Honorable Mention
2009年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
2010年 WPGA Annual Pollux Awards - Honorable Mention
2010年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
2011年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
2011年 PX3 PRIX DE LA PHOTOGRAPHIE PARIS - Official Selection
2012年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
2013年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - 1st Place in Fine Art - Still Life, Professional
2013年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
2015年 PX3 PRIX DE LA PHOTOGRAPHIE PARIS - Gold Prize in Fine Art, Professional
2016年 Neutral Density Photography Awards - Honorable Mention
2017年 PX3 PRIX DE LA PHOTOGRAPHIE PARIS - Bronze Prize in Fine Art, Professional
2018年 Tokyo International Foto Awards - Professional Fine Art 部門銅賞
2019年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
2020年 Lucie Foundation IPA International Photography Award - Honorable Mention
    PX3 PRIX DE LA PHOTOGRAPHIE PARIS - Honorable Mention

Room 1+2企画展

松元康明「insideoutsidein」

松元康明

会期:2021.09.28(TUE)- 2021.10.10(SUN)

12:00 - 19:00 (最終日 16:00 まで・月曜休廊)

写真というメディアを使った創作で僕がテーマにしていることは、” 不可視を可視化する” と いうことです。

それぞれのプロジェクトでその” 目に見えない何か” は異なりますが、今回展 示するふたつのシリーズでは、それには長い時間が関わってきます。 ひとつ目のシリーズ “existence” は、古いもの達と親密に向き合ったポートレート集です。人と同じ様に、長い年月を経てきたもの達は、 威厳や風格を纏っています。それはやはり、その時間の中での経験によってしか培われないものだと思います。 おじいちゃんのゴツゴツした手や、おばあちゃんの優しい目尻の皺に愛しさを感じる様に、 赤茶けた錆や、無数の傷に、僕は愛しさと敬愛の念を抱きます。 そしてそういった目に見える美しさに加えて捉えたかったのが、目に見えないオーラであっ たり、歴史であったり、
すなわちその物自体の” 存在感 =existence” なのです。
制作過程では、撮影者としての自分のエゴを出来るだけ消し去ることを心掛けています。 その理由は、この敬愛すべき古いもの達の人生を讃える事に集中するためです。
イメージは極限までシンプルに、被写体の存在だけが” ある” を理想にしています。 存在以外の情報がほとんどないイメージから、もの達の内に秘められた時間やストーリーに思いを馳せて頂けたら幸いです。
ふたつ目は、”piles” という新しく始めたプロジェクト。こちらは、”existence” とは真逆に、自然の中へ身を置いて作る森のシリーズです。 コロナ禍で外界との接触が断絶され、インスピレーションを求めて訪れた誰もいない森。 そこで僕が体験したのは、目眩を覚える様な空間全体の渦、そして大きな存在に抱かれてい る事への安らぎと恐れが同居した様な不思議な感覚でした。 森の空気は一見して大きく結合した様な一つのまとまりの様でもあり、しかし所々に空間の
ギャップや歪みがある様に感じられました。
僕個人の考えでは、そういった現象は、やはり森が経験してきた果てしない時間の積み重ね と、その成長の過程でできた斑など、様々なエッセンスによって起こりうることではないか
と思っています。
その場の空気を一番 ” 生” で捉えられる湿板写真で撮影し、銀塩写真に焼き付けられたイ メージは、一度分解され、 撮影された場所の土や枝葉によってランダムに染められた後、再 び森として再構築されます。 そういったプロセスを積み重ねることで、僕なりに森の荘厳な空間を表現してみました。 そうやってできた作品に触れてもらい、これからの時間を積み重ねることも、このシリーズにとっては大事なことです。
“piles = 積み重ね ” というシリーズは、時間が続く限り成長していくものなのです。
“existence” の、古いものに内包された時間やストーリーをヴィジュアル化する “inside-out” な制作手法、
そして “piles” の、壮大な森の時間と空間を作品に落とし込む “outside-in” なプ ロセス。
そのふたつを一同に展示するということで、本展を “insideoutsidein” と題しました。insideoutsidein な空間を、どうぞご高覧下さい。

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