「わたしのからだの右と左はなんだか少しかたちがちがう。
となりの子のからだとは、だいぶちがう気がする。
違和感はあるけれど、ことばにできない。
感じたことは、家に帰って本棚の後ろにそっとしまっておこう」

ここに写る子どもの多くは、いま、若者や大人になっているだろう。
子どもの頃と変わらない、もどかしさを抱いているかもしれない。
からだは自然だから、いつもじぶんより大きすぎる存在だ。

親愛なるあなたへ。あの日からもこころを澄まして、
せかいに祝福されながら、好きな歌を歌いながら、誰かに歌ってもらいながら、
やわらかな大人になっていていることを願っている。

工藤由夏


出展作品　モノクロプリント32点