Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)

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Recommend wall企画展

マリー・アントワネット、再び ― 技法の転換点 ― Le point de bascule

櫻井朋成

会期:2026.03.03(TUE)- 2026.03.15(SUN)

12:00-19:00(月曜休廊 最終日16:00まで)

2022年、一冊の本から、ひとつの気配へと導かれた。

「マリー・アントワネットは何を食べていたか」。

その問いは、王妃の嗜好を知るためというより、

時代の感覚に触れるための入口だった。

食卓を辿ることは、

味覚が文化へと変わり始める、その兆しを孕んだ

彼女の時間に触れることだった。

ヴェルサイユ宮殿に残る光、壁の陰影、

幾層にも重なった静けさ。

そこに確かに存在したはずの彼女の気配を、

私は写真として掬い取ろうとした。

本作は、撮影から版の制作、刷りに至るまで、

すべてを自らの手で行った最初の作品である。

フォトポリマーによる刷りは、技法の選択というより、

距離を縮めるための行為だった。

誰かの手を介さず、触れ、刷ること。

それは、彼女の痕跡により近づくための、静かな決意でもあった。

時を経たいま、あらためてこの作品を見つめ直す。

そこに写っているのは、マリー・アントワネットという名を纏った記憶であり、

同時に、ひとりの作り手が歩み始めた転換点の、かすかな痕跡でもある。

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