Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)

Exhibition

Room 2企画展

NORITOPIA

ミヤケノリコ

会期:2026.01.08(THU)- 2026.01.18(SUN)

12:00-19:00(月・火・水 休み 最終日は16:00まで)

ー現実逃避の楽園NORITOPIA(ノリトピア)

そこは女も男も国籍も年齢も職業なんて関係ない自由と平等なセカイー ちょうど20年前の1月、私は人生初めて個展を開いた。
タイトルは「ワタシノユートピア」今回の展示はそのタイトルをオマージュしている。
当時、大学卒業前の私は就職せず作家になることを選んだもののどこにも属さず独りで生きていく未来に不安でいっぱいだった。
そんな現実から逃避するための理想郷を表現したのが人生初個展の作品だった。

それから20年が経ち、今度は仕事の多忙とストレスから逃れるための理想郷を作っている。
20年間しぶとく私は作品を作り続け安定と無縁のサバイブ人生だが、ありがたいことに仕事は忙しくなり充実した日々を送っている。と思っていた。

忙しさは自分が気づかないうちに心と体の健康を失う。
様々な事に終われたこの夏の終わり、全身に謎の蕁麻疹が現れ嘔吐がとまらなくなった。
そして急に私は作品が作れなくなった。 全てを中断しひたすら休んだ。 このまま作品が作れなくなるのかとゆう不安に襲われながら、ボーっとコーヒーを飲んでいた時、台所の片隅に放置したままの大量の美しい毛糸に目がいった。
それは今年の誕生日プレゼントにアーティストの先輩から頂いたものだった。
絵も造形物も何も作る気になれなかった私は気分転換にその毛糸を手にとり編み始めてみた。
編むことで心は落ちつき癒された。

そして毛糸を持って旅に出た。毛糸は軽くかさばらないので旅先の移動中でもどんな場所でも編めた。どんどん編みものにハマり楽しくなっていった頃、薬を飲まなくとも蕁麻疹も嘔吐も出なくなっていた。

結局、私は20年経っても現実逃避の楽園を作っている。
時間に追われ、支払いに追われ、メールの返信に追われ、現代人は忙しい。
苦手な人でも目上であれば仕事だからと気を遣う。
スマホがある限り私たちの心と脳は休まらない。
積み上げた信用とキャリアを失うのは怖いからだ。
世間の評価は結局自分を幸せにしない。 それらを全部捨てた時、本当の自由が待っている。
多忙なストレス社会を生きる現代人へ送る心の救済場所を私は作っています。

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