Exhibition

Room 1+2企画展
EACH OTHER 展 ~ 祝福と静けさのあわいに立って ~
成澤 豪
会期:2025.10.02(THU)- 2025.10.12(SUN)
12:00-19:00(月・火・水 休み 最終日は16:00まで)
この度、成澤 豪さんの企画展を開催いたします。
2024年の「MEDLEY」展では、成澤さんの頭の中を覗き込むような体験でした。
あのように様々な作品が、一人の作家のイマジネーションで、クオリティの高い作品がたくさん生み出されるというようなことがあるのか。
これは現実なのか?と。
本当に刺激的な展覧会でした。
2025年の今年は、成澤さんのシリーズより2つ。
「Bless」と「Solo」のシリーズを新作も含め、じっくり拝見する機会といたします。
成澤さんの2024年ポートフォリオより、お言葉より抜粋し、作品を紹介いたします。
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「Bless」
その名の通り”祝福する”ことをテーマとした作品シリーズです。始まりは8年前。いつもの街、よく通る道端で目にする草花や、樹木の美しさに目覚め、スケッチし始めました。
そうして書き溜めること数年、行く先々で出会った草花を全て、”花形装飾文字”に図案化することで
草花が教えてくれる、喜び、安らぎ、幸せといったインスピレーションを結晶のように昇華。
一方、生活の中で出会った、歓喜、平安、感謝、清浄といったインプレッションをもたらす、蝶や鍵といったモチーフを描き溜め続け、
そのモチーフを膨大な”花形装飾文字”のデータで、一文字ずつ緻密なパズルのように組み合わせながらそれらのモチーフのシルエットを徐々に埋め尽くしていきました。
また、背景となる地色は、ボード紙にパールやメタリックのピグメントを、数日かけて塗り重ねることで、絵画の持つ手触りや風合いを程よく求めていきます。(中略)
来る日も来る日も、花形装飾文字をひと文字ずつ詰めていると、こう思うのです。私たちにとって、いいことがあっても、そうじゃなくても、この世界の全ては本来、もうすでに祝福で緻密に編まれており、私たちは、その網の目の上に生まれ、こうして生きている。
本当の不幸があるとすれば、その事実に、普段いざという時、なかなか気づきにくいということだと。
だからこそ、目の前の世界がいつもの毎日だとしても、すでに目にし、手にしている事象が、無数の幸せの結晶でできているという秘密に、実感をもって気づくことで、一点の陰りもない、心からの祝福の想いを、自身にも他人にも抱いていきたいものだと、そう強く思うのです。
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「Solo」
世界は繋がっている。繋がりは流れを生み、流れは絶え間ない渦となる。私たちを含めた世界のあらゆる事象は、まるで巨大な中心無き渦です。それは無数の小さな渦が寄り合いながら成り立っている。
そんな世界を生きる私たちは、日常の体験的な繋がりにおいて、肌合いとしてこの小さな渦の流れを理解しており、一方、大きな渦の流れは、間接的な繋がりである遠くの情報という姿で、その存在を理解するのが常です。
“繋がり世界”の渦中を生きる私たちは、そんな大小二つの理解を駆使して、自身の存在とその意義を噛み締め、抱く理想とその正しさを、腑に落ちたいと奔走し、証明したいと共感を望んでは、再び渦の流れに身を投じます。
しかしながら、繋がり自体を強く求めるあまり、繋がっていない自分、すなわち誰かに頼らず、誰のせいにもできず、誰かの評価もあてにできない、そんな”自分だけという自分” がここに居ることを、深く理解し、美しく鍛えることの大切さを、見失いそうにもなるものです。
この『Solo』シリーズでは、日本画などで使用する顔料を、少しずつスタンピングで塗り重ねることで、やわらかなモノトーンの階調を生み、画面に静寂を与えます。また、モチーフをマスキングによって彫造するように描くことで、立体を思わせる印象が静寂の中に立ち現れ、作品全体に内省的なニュアンスをもたらしています。(以下略)
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【イベント開催のお知らせ】
◎おはなしかい
作家・成澤豪さんに作品や制作のお話を伺います。
参加費は無料で、ご予約も必要ありません。
たまたまそこにいた方ももちろん参加可能です。
日時:10月4日15:00 (1時間くらい)
10月5日15:00 (1時間くらい)
場所:ルーニィ・247ファインアーツ 展覧会会場にて
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成澤 豪 Narisawa Go – profile –
宮城県仙台市出身。
明治学院大学国際学部卒業後、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科入学。同大学卒業後、(株)日本デザインセンターに入社。独立後、デザイン会社(有)なかよし図工室を設立。
2015年よりアートレーベルWorks & Words(ワークス アンド ワーズ)を立ち上げ、アート作品の制作を開始。
2017年AOMORIトリエンナーレClassical部門棟方志功国際版画大賞に入選。
2017年カッシーナ・イクスシー青山本店アートギャラリーDELL’ARTE(デラルテ)にて開催の『Regalo Palma』に参加。
2019年 東京日本橋のRoonee 247 Fine Artsにて『Friends 〜成澤豪の紙版画 どうぶつ〜』、『しずかな紙版画 〜成澤豪によるアートブック絵本の原画作品展〜』を開催。
2020年同ギャラリーにて『Nuance〜成澤 豪のカラーペン画〜』、『Toy 2020 〜成澤豪の紙版画〜』を同時に開催。その後、岡山県岡山市にあるELDギャラリーにて『しずかな紙版画 〜成澤豪によるアートブック絵本の原画作品展〜』の巡回。
2021年京都の香老舗 松栄堂の薫習館(くんじゅうかん)にて『Toy 〜成澤豪の紙版画〜』、
2023年に東京ではRoonee 247 Fine Artsにて、京都では薫習館にて『Treasure 〜成澤豪の貼り画〜』展をそれぞれ開催。オフィシャルサイトでは展覧会情報、新作の更新、作品についてのお話や日々のことを随時アップいたします。
https://www.narisawago.com
Go Narisawa
Born in Sendai city, Miyagi prefecture. After graduating from the Department of International Studies at Meiji Gakuin University, he studied Visual Communication Design at Musashino Art University. He joined Nippon Design Center, Inc. after graduation. Becoming independent, in 2003 he started his own design company Nakayoshi Zukoushitsu Co. Ltd.Began producing artwork under the label “Works & Words” in 2015. Selected for the “Shiko Munakata International Block Printing Award,” Classical Department, at the AOMORI TRIENNALE 2017. Occasionally releases works on official website narisawago.com






